専門的かつ安定した調査ができる探偵事務所とは? ~料金の安さに惑わされずきちんと見極めること~
そもそも調査力とはどんなこと? ~安い料金でずさんな調査の事例~
機材の違いによる調査力については以前紹介しましたが、今回はその他の調査力について見ていきましょう。
まずは基本的な浮気調査による方法の違いから。
妻・夫が浮気をしていて、不倫相手と会っているところを撮影してほしいと依頼し、後日調査員がターゲットを尾行。
午前中に繁華街を歩いているターゲットを確認したので、探偵事務所では調査員を配置して追跡しました。
ターゲットは1人のため、これから不倫相手と会う可能性があると判断し、徹底した尾行を開始します。
しかし、ここで探偵事務所は「この機を逃してはいけない!!」「仕事の成果を出さなければいけない!!」と思い、事務所にいるアルバイト調査員を総出動させました。
ターゲットの行く先に2人を配置、自転車を使って1人がターゲットと並走、徒歩で2人が尾行、事務所の所長は車の中で待機した上にトランシーバーで指示を与えます。
10分もしないうちに、ターゲットは自分の周りに誰かがついてきていると察知し、その場から逃げるように施設の中に入っていきました。
不倫相手と会うこともなく、その日の成果はなし。
探偵事務所は浮気の証拠はとれなかったものの、正規の料金は請求しました。
これは嘘のような本当の話であり、誰が見てもとてもプロの仕事とはいえません。
この探偵事務所は大手ではないものの、10年ほどの経営実績があり、地元の個人事務所では割と低料金で依頼を受けているところです。
ずさんな調査技術、素人丸出しの手法ですが、低料金を売りに浮気調査の依頼を受け、時には失敗を重ねて「今日は不倫相手とは会っていない」と報告していたそうです。
調査力の基本は尾行・追跡・撮影・時系列での記録など
上記の例からもわかるとおり、安い料金を売りにして顧客を集め、独学で探偵業務を学んで依頼を受けていると必ずほころびが出てきます。
調査の基本中の基本である尾行・追跡・張り込み・面談・聞き込み・撮影の技術は、ドラマや映画や書籍を見たからといって学べるものではありません。
これが調査力の違いを表す典型的な例で、素人探偵に最も多いパターンといえるでしょう。
例え大手であっても、権利や情報だけを取得して探偵としての基礎ができていない経営者は、調査力がないといってよいのです。
その他、張り込みの際に場所を選ばず道路に車を停めて、周辺住民に通報されたり、夜間撮影でピントが合わず、ホテルの出入りの一瞬を逃したり。
調査力とは、こういった業務にかかる基礎がしっかりできていることが前提です。
独学で学んでいたり、兼業で探偵をしていたりすれば、当然ながらノウハウは蓄積されず専門性を欠くことになります。
結果として顧客獲得につながらず、低料金を売りにする事態になってしまうことがあるのです。
もちろん、低料金設定の探偵事務所すべてがそうではありませんし、安い料金だからといって調査力がないとはいえません。
高額な料金を設定していて大手の支店を経営していても、探偵としての経験値がないところもあるでしょう。
調査力の差とは何か? ~探偵事務所はどこにお金をかけているのか~
安い料金設定でも浮気調査であれば「証拠を撮ることができれば仕事の成果を出した」ことになります。
高額な機材を使って、どれだけ画像が鮮明でも、至近距離で安いカメラを使って撮れば表情から人物の特定はできるでしょう。
裁判で使える有力な浮気の証拠に変わりはありません。
しかし、最低限とれる証拠にとどめて料金を安く設定するところもあれば、最大限の情報をとって完璧な証拠をとり報告書を作るところもあります。
大手などは圧倒的な人脈とネットワークでターゲットや不倫相手に関する周辺の情報まで調査できるでしょう。
離婚を考えている場合や、不倫相手に慰謝料を請求したい場合など、相手の職場や年収などから大まかな慰謝料の概算を出すことができます。
こうした情報は「証拠をとって終わり」ではなく、その後の離婚問題を解決するためのアフターフォローのサービスにつながってきます。
離婚に向けたプランもアドバイザーとして行ってくれ、取得した情報をもとに、依頼者の主張を組み立ててくれます。
浮気調査のみならず、人探しなどでもネットワークや独自の情報システムがあれば、探し出すことができるのです。
こうした総合的な情報力をもっていることを「調査力」といい、どこまで広範囲に情報をとれるかが探偵事務所・興信所の生命線なのです。
そこにお金をかけていれば、当然他社とは違い広く、詳細な情報がとれて、それを活用できるわけです。
安い料金だから悪いわけではありませんが、高額な料金でアフターフォローを含めた情報がとれるなら、離婚などの重要な問題で浮気調査依頼してもよいでしょう。
離婚は人生においてターニングポイントになる重大な決定事項です。
浮気調査となれば焦りや怒りから、すぐに探偵事務所・興信所に依頼したいと思うかもしれませんが、決して料金だけを見ずに選んで、しっかり証拠をとってもらいましょう。